マニュアル実行 2023.03.17

アユ漁場の健全度評価in武茂川

令和元年度東日本台風や緊急浚渫事業(堆積土除去工事)の影響がかなり大きく、河川環境が大きく変わってしまった馬頭高校水産科のホームリバーの武茂川。 堆積土除去工事の様子…巨石も含め除去されました。 堆積土除去工事の様子…巨石も含め除去されました。 武茂川支流の大内川…きれいな台形断面になり果てた。泥水がヒドい。 武茂川支流の大内川…きれいな台形断面になり果てた。泥水がヒドい。 上流の護岸工事のため瀬替え中…大型土のうも使わずただの盛り土。 上流の護岸工事のため瀬替え中…大型土のうも使わずただの盛り土。 なかなか河川環境に配慮していただけない河川工事のオンパレードでして、見た目にもわかる砂だらけ、小砂利だらけの残念すぎる河川環境になってしまいました。 淵は砂まみれました。 淵は砂にまみれました…。 ちょっとした降雨ですぐ濁る…今思えば1m透視度計が使える時点で濁りすぎ。 ちょっとした降雨ですぐ濁る…今思えば1m透視度計が使える時点で濁りすぎ。川面に見える転々と残された巨石が痛々しい。 コカナダもが枯れる水 馬頭高校水産科実習場の沈殿池ですが毎年コカナダモが繁茂するはずが、成長できずに枯れかけになりました。 コカナダモが成長できない水ってアユは成長できるのか?厳しい… この武茂川の惨劇を数値化したいということで、 アユの漁獲が不良な漁場で⾒られる河川環境流下する砂礫が放流されたアユPlecoglossus altivelisの定着におよぼす影響 を参考に巨石率、浮石率、水平透視度、砂の有無の4項目を基準としてアユ漁場健康診断表を作成し、武茂川の河川環境を調べることにしました。     アユ漁場健康診断表 作ってみたアユ漁場健康診断表これです。   これを使い、武茂川の7カ所で調査をしました。 巨石りつ調査中。 巨石率と浮石率を調査していることろ。 コンクリートの打設の時に使うワイヤーメッシュ(10×10㎝枠の規格)をカットして20cmごとに目印をつけました。 80cm×80cmのこのワイヤーメッシュの縦の線と横の線の交点(20cm間隔)の下にある長径25cm以上の巨石の個数と浮き石の個数を数えました。 水平透視度を測定中 最初の調査は夏だったので潜ってA4サイズの白板が視認できる距離を測定していました。   箱眼鏡 冬に潜るのはつらいので、箱眼鏡と使うようになりました。   水平透視度も潜るのはつらいので空気中から水中を見られる逆潜望鏡をDIYしました。 これに伴い、A4サイズの白板をやめて「四万十川清流基準調査」と同じ直径20cmのブラックディスクをすることにしました。 (どうみてもゴミ箱ですが、このあとアクリルを横面に張って水が入らないようにしました。中には45度傾けた鏡が入っていて上から覗くと横方向が見えるようになっています。) 逆潜望鏡 結果は非常に悲しい状況でした。 アユ漁場健康度調査の結果
アユ漁場健康度調査の結果
ちなみに赤字が良い項目です。

解っていたことですが、巨石は少なく、浮き石もない。台風が通過するまでは透明度が低く、石裏には砂が堆積・・・アユの不漁漁場の典型の様な河川環境になっていることが数字でもはっきりわかりました。

これからアユの放流が本格化しますがみなさんの身近な河川でもアユ漁場の健康度調査をしてみてはいかがでしょうか…

ちなみに大内小学校の4年生と一緒に調査をしましたが、逆潜望鏡は小学生に大人気でした。
子どもと一緒に河川環境調査をするのはすごく良いと思います。
ダメな河川環境という結果になると説明するときとても悲しい気持ちになりますけど…
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