【アユを毛バリで釣ってみよう!】夏の北信地方でアユ毛バリ釣り体験教室を開催(2022/8/27,9/3)
長野県山ノ内町を流れる夜間瀬(よませ)川は、北信漁業協同組合(以下、北信漁協)によりアユの放流が行われています。近年、県内ではアユの釣果が上がらないところも多く、夜間瀬川では、北信漁協に長野水試が協力し、放流によるアユの良好な釣り場づくりを目指しています(下の写真:志賀高原を水源とする夜間瀬川)。
今回は、そんな夜間瀬川で開催したアユ毛バリ釣り体験教室の様子を報告します。本イベントは前回に引き続き北信漁協との共催で実現しました(前回(2021年)の実施報告はこちらを参照)。
<2022年も2日間開催>
8月27日、9月3日の2回にわたって開催した本イベント。毛バリ釣りの講師は北信漁協の荒井組合長のほか5名の組合員のみなさんと水産試験場の山本・丸山が務めました。 以下の写真は主に9月3日の様子です。
参加者は20代~70代の計14名(各日7名)でした。 2021年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、人数を絞っての開催でしたが(各日5名)、2022年はなるべく多くの方に毛バリ釣りを体験していただきたいという思いから人数を増やしての開催となりました。
<釣り体験開始!>
イベントは下記の日程で行いました。
- ・受け付け 7:30~8:00
- ・開会(主催者あいさつ、組合長あいさつ) 8:00~8:30
- ・毛バリ釣り体験教室 8:30~11:00
- ・研修(漁協の活動、組合員の利点) 11:00~11:30
- ・閉会、参加者アンケート記入 11:30~12:00
- ・閉会後の道具の貸し出し 12:00~16:00
8:00からの開会式終了後、参加者へ渓流用延べ竿(5.4m)、仕掛け、たも網、友バッグ、胴長を貸し出し、さっそく釣り体験開始です。
2021年は参加者一名につき講師一名がつくマンツーマンの方式が参加者に大変好評だったため、2022年も同様の方式としました(下の写真:マンツーマンで釣り方を指導する講師(手前))。
2022年の釣り場の状況ですが、2021年と少し異なり、開催前には、少数ですが大きなアユが釣れていました。
この日も夜間瀬川にしては大きな、20cmに迫るアユがヒット!
アユ釣りほぼ未経験という参加者のMさん、ナイスです。
開催前には釣果があまり上がらず釣れるか心配していましたが、今年度も見事、参加者全員がアユを釣り上げることができました。
釣れた体験は一番の思い出になるのではないでしょうか!
<漁協の活動や組合員の利点を解説>
2時間半ほど釣りを体験していただいたあとは、丸山が講師となり、下記の内容で北信漁協の取り組みなどについての研修をさせていただきました。
- ・アユ生態の概要(秋に河川中流域でふ化~冬、沿岸域で成長~春・夏に成長しながら河川を遡上/寿命1年)
- ・長野県にはアユが遡上してこれず、釣れるアユは100%放流アユ。
- ・釣り人が支払った遊漁料は魚の放流費用や漁場整備に充てられている。
- ・放流・漁場整備は漁協組合員が行っているが、近年、高齢化が進みそれらの活動が難しくなってきている。
- ・組合員が減少することで漁協の収入は減り、これまでの放流量が維持できないなど の問題も生じている。
5分程度の時間でしたが、参加者のみなさんには、とても真剣に耳を傾けていただきました(下の写真:研修に耳を傾ける参加者)。
<今後も毛バリ釣りができる川として>
参加者のほとんどが近隣市町村からの参加であり、2日間をとおし、多くの参加者に毛バリ釣りの釣り方や夜間瀬川にアユが放流されていることを知っていただけました。
さらに、参加者のうち3名が組合員、准組合員になりたいとも申し出てくださり、本イベントが組合員を増やす効果があることもうれしい発見でした。
運営面で厳しい状況におかれている漁業協同組合ですが、今回のようなイベントをきっかけに若い方々にも漁場の存続に興味を持っていただけたら幸いです。
すべてのアユ生息河川で毛バリ釣りが楽しめるわけではありませんが、少なくとも夜間瀬川は今後も毛バリ釣りができる河川として多くの釣り人に広まってくれればと思っています。 みなさんもぜひ夜間瀬川でアユ釣りを楽しんでみてはいかがでしょうか(下の写真:8月27日(上)と9月3日(下)の集合写真)。