魚捕り 2022.09.26

【県庁所在地でアユ釣り?】鬼怒川で巨大アユを狙う

アユ釣りというと、都会の喧騒を離れ、清流で楽しむイメージが強いと思います。でも、アユはとっても身近な魚なんです。実際、多摩川や利根川の水系では、人の暮らしのすぐ近くにアユが泳いでいます。2022年春、数年ぶりに利根川水系にたくさんの天然アユが海から遡上(そじょう)しました。そして9月、利根川水系きっての清流、鬼怒川で大きく育ったアユを狙って、友釣りを楽しんできました。案内してくれるたのは、釣り名人の高木優也さん。高木さんは、栃木県水産試験場でアユを研究していましたが、今は異動で別の仕事をしています。その分、休日は気合を入れてアユ釣りを楽しんでいます。訪れたのは西鬼怒川との合流点。なんと、ここは栃木県の県庁所在地である宇都宮市内です。

鬼怒川1

まずは、安全確保です。最近、アユ釣りを楽しむ釣り人の水難事故が後を絶ちません。皆さんもアユ釣りの釣り人が流されたというニュースを耳にしたことがあると思います。ここでは、安全にアユ釣りをするときの身なりについて、かんたんに紹介します。下半身については、アユタイツと呼ばれるネオプレン製のズボンをはくのが主流ですが、上着も、ネオプレン製のジャケットを着ることをお勧めします。上下ともにネオプレン素材を着用することで、流されても首より上は水面から出る程度の浮力が確保できます。下の写真は、6月に九頭竜川で行った潜水調査の様子ですが、アユ釣りのときも、浮力と暖かさの確保のため、ネオプレンジャケットを着用しましょう。

鬼怒川2

準備ができたら、いざ川に入水。西鬼怒川をわたり、鬼怒川本流に立ちこみます。最初は高木さんの釣りを見学です。高木さんはアユ釣りの全国大会でも上位入賞の経験があり、まさにアユ釣りのプロ。そんな高木さんのすぐ横で名人芸を見学できるのは役得です。オトリ屋さんで購入した養殖アユをそっと泳がせていると、すぐに天然アユが掛かりました。

鬼怒川3

さらに、釣れたアユをオトリにしてを泳がせていると、・・・いよいよ本命の巨大アユが掛かります。25cmをオトリにして27cmの天然アユが釣れました。

鬼怒川4

さあ、ここからは高木さんの独壇場。巨大なアユを釣りまくります。最大で29cmのアユを釣りあげました。

鬼怒川5

私も釣りたいのですが、この日は多くの釣り人で満員御礼の状態。すぐ上流にいた他の釣り人は、アユが大きすぎて竿を折ってしまい強制終了。漁夫の利ではないですが、空いたポイントに私が入って挑戦しました。高木さんに教わった通り、養殖アユをゆるい流れに入れると、すぐに天然アユが掛かりました。

その後も何匹か釣れ、最大で27cmのアユを手にすることができました。

鬼怒川7

アユが川底のコケ(正確にはラン藻)を刈り取るようにして食べると、その後も、ラン藻が生育しやすくなる、という研究報告があります。つまり、アユ自身が畑を耕して、良い状態を自ら作り出しているとも言えます。今年はたくさんの天然アユがいたことで、アユの成育がより良くなったのかもしれません。アユの味も例年になく美味しく感じました。天然アユは私たちにとって大切な資源で、海と川がつながっていることの大切さを再認識することができました。

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